2013/08/06
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 館内の他の植物についても少し説明します。
 まず、最も大きく目立っているのが「オオギバショウ」です。ライトアップされ、20メートルはあろうかと思われる大木です。別名、「旅人の樹」と呼ばれています。
 よく目立つ扇状に並んだ葉から方向がわかるため、という説と、葉のつけ根に溜った水分を旅人が飲んだため、という説がありますが、いずれの説も確かではないようです。
〔オオギバショウ〕→


〔タコノキの気根と安見子さん〕
 次に目をひくのが「タコノキ」。
 館内は明るくすると、「夜咲く花」が咲きませんので、最低限の照明になっています。残念ながら、木の全景は写りませんでしたので、太く大きい気根のみです。

 
〔バナナの木〕          〔あずまや〕

 「芭蕉(バナナ)の木」
 10メートルもあるでしょうか。ライトアップされていました。下方に「花」が見えます。上方には青いバナナができています。
 このバナナの木のそばには、エキゾチックな「あずまや」があります。


 「トーチジンジャー」
 花穂の形状がトーチ(たいまつ)に似ているところからこの名がついたと言われています。
〔トーチジンジャー〕→

 
〔ヘリコニア・ロストラータ〕

〔フウリンブッソウゲ〕

 「ヘリコニア・ロストラータ」
 「オウムバナ科」ですが、オウムバナと言った方がわかりやすい形状です。

 「フウリンブッソウゲ」
 夜咲く花ですが、まだ完全に開いていない状態です。開ききると花弁が上方に反り、まるで風鈴のようなかたちになります。

 館内には人工の池があり、夜咲く熱帯のスイレンや、オオオニバスなどがあります。
 

〔熱帯のスイレン(夜に開きます)〕

〔オオオニバスの花(夜に開きます)〕

〔イエライシャン〕


  「イエライシャン」
 「夜来香」と書きますが、一定年齢以上の方々には歌でもおなじみの花です。
 歌の歌詞には「白い花」とありますので、写真を見て違和感を覚えられたと思いますが、実はこれが「本物」のイエライシャンなのです。
 写真は、竹で編んだドームに巻きつけられていますが、蔓性で、花は淡黄色で房状に下がっており、夜に芳香を放ちます。
 各地で俗に「イエライシャン」と呼ばれているものは、「木」で白い花が咲き、同じように夜に芳香を放ちますが、「夜香木」という別の物なのです。

 「ムユウジュ」
 「無憂樹」、広辞苑では「ムウジュ」です。
  釈尊の生母、摩耶(まや)夫人(ぶにん)が出産のために生家に帰る途中、この樹の下で釈尊を産みました。安産であったためにこの樹を「無憂樹」と言うそうです。

 「サラノキ」
 「娑羅樹」。釈尊が涅槃に入った臥床の四方にあったとされる樹。

〔ムユウジュ〕 

〔サラノキ〕
 上記の「無憂樹」、「菩提樹(釈尊がこの樹の下で悟りを開いたとされる)」とこの「娑羅樹」は、仏教の「三大聖樹」とされています。
 日本の寺院では「ナツツバキ」を「サラノキ」として植えているところが多いようです。

〔館内の径を歩く安見子さん。下がっているのはガジュマル
の気根〕


 今回、安見子さんをご案内して来ましたが、実はその数年前に一度ここを訪ねています。「下がり花」という言葉は、その時の記憶の中にあったものです。
 同じく「ナイトツアー」でしたが、その時のお目当ては「月下美人」でした。何といっても「夜咲く花」の女王は「月下美人」です。

 ここ熱帯植物館でも月下美人が何鉢かあります。ただ、「お花さま」次第で、「ナイトツアー」の日にうまく咲くことは何年かに一回しかありません。
 「ナイトツアー」の企画は何カ月も前に決まり、(東京都営ですので)都の広報にも掲示されます。何カ月も前に花の咲く日を予測するのは難しく、毎年見ることはできません。
 今回も残念ながら見ることはできませんでした。が、私だけは数年前にしっかりと見ました。
 それは大きな株で、外が暗くなるとともに、7~8個の花が開きはじめました。すばらしい芳香を放ちながら、ゆっくりゆっくりと開き、深夜に満開となり、翌朝にはしぼんでしまいます。
 夜8時(だったと思います)の閉館ギリギリまで見ていましたが、七分か八分は開いていたと思います。 

〔月下美人の花〕


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